第27回 AMD Award '21
優秀賞
- ウォーリー木下
授賞理由
関西小劇場界で20年以上に渡って活動し、現在はハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」などの2.5次元の舞台やミュージカル・コンサートなど幅広い作品を手掛ける演出家であり脚本家。演劇とライブ、あるいはメディアアートとパフォーミングアーツの融合、さらには自宅に居ながら演劇を楽しめる「VR演劇」など、従来の“演劇”の概念を超えた新しい挑戦を続けている。2021年は「東京2020パラリンピック」開会式の演出を担当。そのストーリー性の高さや驚きの 演出で、賞賛の声が多くあがった。新たな表現に挑戦しつづけ、究極の大舞台から小劇場まで、幅広く感動を生み出し続けていることを称える。
受賞コメント
演劇を続けておよそ30年、このような栄誉ある賞をいただけるとは夢にも思っていませんでした。コロナ禍の中、演劇やライブ業界もまだまだ試行錯誤している最中です。少しでも明るい未来がやってくるといいなあと思いながら活動をした1年でした。
演劇の起源は神様への祈りを儀式化したものだと言われています。演劇が持つ祈りの力を信じて、多くの皆様に幸せが届く作品をこれからも作り続けたいと思います。
最後になりますが、いつも一緒に創作をしてくれているキャスト・スタッフのみなさんにこそ、この賞は与えられたと思っています。僕はあくまでも人と人を結ぶボンドのような役目。たく さんの皆さんのアイデアと機知が、いくつもの表現を可能にしてきてくれました。ありがとうございました。
受賞者プロフィール
1971 年生まれ。劇作家・演出家。神戸大学在学中に演劇活動を始め、93年に劇団☆世界一団(現sunday)を結成。外部公演も数多く手がけ、役者の身体性に音楽と映像とを融合させた演出を 特徴としている。
ノンバーバルパフォーマンス集団「THE ORIGINAL TEMPO」のプロデュースにおいてはエジンバラ演劇祭にて五つ星を獲得するなど、海外で高い評価を得る。10ヶ国以上の国際フェスティバルに 招聘され、演出家として韓国およびスロヴェニアでの国際共同製作も行う。11年にはPLAY PARK-日本短編舞台フェス-、13年に多摩1キロフェスを立ち上げ、16年からは静岡ストリートシアターフェス ストレンジシードのプログラム・ディレクターを担当するなど、様々な演劇祭でフェスティバルディレクターを務めている。
2018年4月神戸アートビレッジセンター(KAVC)の舞台芸術プログラム・ディレクターに就任。近年の作品に東京2020パラリンピック開会式、ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」、「スタンディングオベーション」、「SHOW BOY」、ミュージカル「ダブル・トラブル」、「スケリグ」、乃木坂46版ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」、ミュージカル「リューン~風の魔法と滅びの剣~」、つながる音楽劇「麦ふみクーツェ~everything is symphony!!~」、大阪障がい者舞台 芸術オープンカレッジ「うみのうたごえ」などがある。
メディアアートとパフォーミングアーツの融合で注目を集め、従来の“演劇”という概念を超えた新しい挑戦をし続けている。