第28回 AMD Award '22

陸上競技の世界一決定戦である「世界陸上オレゴン大会」においては、TBSテレビが日本初の「XR技術を駆使した新しい生中継表現」を実現し、多くの視聴者に臨場感のある映像表現で陸上競技の魅力を伝えた。今回は、コロナによる現地制作作業が大きく制約される状況下、ライブ映像とXR技術を駆使することによりMCがあたかも現地から中継しているような演出を可能とした。MC、出演者は日本のスタジオにいながらどこの場所にも瞬時に移動し、時空を超えた演出が可能となる新しい映像表現技術を高く評価する。

この度はこのような素晴らしい賞をいただき、誠にありがとうございます。

2年に1度開催される世界最大級のスポーツイベント、「世界陸上」。TBSテレビでは1997年から放送を始め、13回目となりました。今回関わったスタッフだけでなく、これまで携わってきた多くの方々のチャレンジの積み重ねがこのような栄誉ある賞に繋がった事を本当にうれしく思います。

コロナで2年延期となった今大会は現地オレゴンに派遣するスタッフを大幅に削減せざるを得ず、これまで13大会連続でメインキャスターを務められた織田裕二さん・中井美穂さんのお二人も現場に行く事ができない苦しい状況での番組制作となりました。そんな中、放送における最大の課題のひとつが、『番組の顔でもある織田裕二さんの熱量をいかに落とす事なく、「陸上王国・アメリカ」で初開催される世界陸上の熱狂を視聴者にお届けできるか』という事でした。

現地制作作業自体が大きく制約される中、ライブ映像とXR技術を駆使した「XRスタジオ」の実現が臨場感のあるスタジオを創り出し、MCが現地の熱量を感じながら進行する事ができました。番組としてもテーマとして掲げた「届け、スポーツのチカラ。」を体現できたのではないかと思っています。

今回の新しいチャレンジに携わった制作・技術・美術スタッフをはじめ、番組に関わってくださった全てのみなさまに心から感謝いたします。

今年も8月には世界陸上ブダペスト、9月にはアジア大会杭州と、スポーツイベントが続きます。今回の受賞を糧に、スタッフ一同さらなるチャレンジに挑んでいきたいと思っていますので、是非ご期待ください。

2年に一度行われる世界最大のスポーツイベント“世界陸上”。陸上競技は誰もが経験したことのある“走る・跳ぶ・投げる”を競う、まさに「人類の進化」を目撃できる世界大会。

この大会で、高精細LED・カメラトラッキング・リアルタイムCGといった最先端の技術を活用して、遠隔地における臨場感をスタジオ内で再現する「XRスタジオ」のシステムを構築。

従来のグリーンバックとは違い、「XRスタジオ」を使用すると、実際に見ながら番組を進行する事ができるので、メインMCである織田裕二さんも熱いリアクションをすることが可能となった。これにより現地同様の臨場感を東京から伝えることができ、豊かな映像表現や空間演出を実現した。