第10回 AMD Award '04

大賞/総務大臣賞

  • イノセンス

[受賞者]
株式会社プロダクション・IG
押井 守(脚本・監督)/川井 憲次(音楽)/石川 光久(プロデューサー)/奥田 誠治(委員長)


イノセンス

授賞理由

今までのアニメーションとは一線を画す、デジタル技術を駆使したハイクオリティ映像。
セル画による二次元表現と3DCGを交えたその素晴らしい映像表現に加え、見事にコラボレートされた音楽と共に各方面から高い評価を獲得した、その素晴らしい作品性を讃える。

受賞コメント

●押井 守
技術的成果だけでなく、テクノロジーが必然的に招来した現代的主題を評価していただけたことに感謝いたします。ありがとうございました。
●川井 憲次
私は、いつも「これでいいのかなあ・・・」と不安な気持ちで仕事をしているので、まさかBest Music Composer賞をいただけるとは思っていませんでした。
本当に嬉しいです。ありがとうございました!
●石川 光久
『イノセンス』は、日本のアニメーションの底力を世界に証明すべく、押井守監督とスタッフが5年間、全力で取組んだ作品です。これだけのクオリティに到達できたのも、ひとえに支えてくれた皆さんのお陰と感謝しております。今回の受賞、本当にありがとうございました。
●奥田 誠治
「このようなすばらしい賞をいただけてうれしく思っています。押井守監督とプロダクションI.Gをこの機会に世間に大きくしらしめていくんだ、という思いでこのプロジェクトに参加してから足掛け3年。このような最高の形で締めくくれて感無量です。

作品紹介

1995年公開の押井守監督映画『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』は、その先鋭的な映像表現から、絶大な評価を得る。
1996年には米ビルボード誌でセルビデオチャートNo.1を獲得、さらにハリウッドの監督たちに多大な影響を与え、世界的な話題となった。
その押井監督のアニメーションとしては9年ぶりの最新作、それが『イノセンス』である。
この作品は、様々な不安を抱える現代社会を生きる人々に向けて、“人は何を寄る辺に生きるのか?”を広く問いかける。
人間が生きる意味、命の有り様を真正面から描き出すという究極的なテーマに挑んだのである。

西暦2032年、人とサイボーグ(機械化人間)、そしてロボット(人形)が共存する近未来。
愛玩用ロボットが、原因不明の暴走を起こし所有者を殺害し、さらに自壊するという事件が続発した。
公安九課のバトーとトグサはこの暴走事件の捜査に着任するも、途中何者かにハッキングを受けバトーは銃を乱射する不祥事を起す。
ハッキングを仕掛けた犯人、そしてその後ろに隠れている暴走事故の真相解明のため、2人は極東の北端、捉捉へと向かうのだが。