第13回 AMD Award '07

優秀賞

  • 着信御礼! ケータイ大喜利

[受賞者]
NHK(日本放送協会)
「着信御礼!ケータイ大喜利」開発チーム


授賞理由

放送回数が05年3回、06年10回から07年には15回に拡大、08年は隔週となり、元日にはスペシャルも放送された。アクセスも1時間に50万件を達し、クリエーター育成の見地からも注目のメディア融合番組の勢いを称える。

受賞コメント

名誉ある賞をいただき、光栄に存じます。携帯を使って、テレビの前の皆さんとレギュラー陣そしてスタッフが一緒になって、大喜利に挑戦して参りました。生放送の宿命で大爆笑もあれば、耐えがたい失笑に包まれることも。それでも応援を続けて下さる全国の皆様に心より「着信御礼!」を申し上げます。

作品紹介

「携帯電話を使った新しい双方向番組ができないか?」「若い世代が楽しみながら参加できる番組は?!」そんな思いから、NHK制作局番組開発が世に送り出したのがこの「着信御礼!ケータイ大喜利」である。演出はきわめてシンプル。生放送で大喜利のお題を提示、視聴者は携帯電話でその答えを送るというものだ。

第1回放送は2005年1月5日。定時化を前提とした「特集番組」だった。「想定投稿本数1000本」で開発したシステムに、予想をはるかに上回る投稿が寄せられ、本番中にシステムがダウン。これが「システムダウンするほど投稿が来たらしい」「しかも、そのほとんどが若者だったらしい」と前向きに評価され、第2回放送へとつながる。(投稿本数7464本。届かなかった投稿はどれほどあったかわからず)8ヶ月あまりの準備期間を経て、2005年9月18日に第2回を放送。MCに今田耕司、審査員長に板尾創路、選考は千原ジュニアという現在の陣容はこの回からである。増強されたシステムで、めでたく投稿本数17万2146本を受信。第3回では20万本を超え、2006年3月より月1回(不定期)の放送が開始される運びとなった。2007年の秋改編で「月1回→月2回」「不定期→第1/第3土曜日」となり、これまでの不定期特集番組からレギュラー放送へと「昇格」することとなった。

北斗の拳のケンシロウ、巨人の星の星飛雄馬、セーラームーンなどアニメの主人公をお題に、声優が答えを読み上げてくれる「アニメ大喜利」、メロディに合わせて考えた歌詞を合唱隊が歌ってくれる「歌う大喜利」、旅レポーターの阿藤快、FMラジオのDJ秀島史香などが、本職そのままの設定でお題を読み上げてくれる「ご本人大喜利」など番組独自の人気大喜利ネタを数多く開発。一方で「5人組のヒーロー戦隊が子どもたちからブーイング。その理由とは?」「10文字作文、テーマはさびしい」「あおりすぎ!!小4理科テレビ欄に書かれた見出しとは」など、文字だけで勝負する正統派?なお題を番組の中核にすえている。

今年2月16日の放送で通常放送では初の90万本越えを達成。最近ではコンスタントに50万件の投稿が寄せられている。さらに視聴者のほとんどが30代以下の若者という点もNHKでは類をみない番組。携帯電話と放送がこれほど有機的に結びついた番組は非常に珍しく、「新しい視聴者参加型番組」のモデルとして業界内部の注目も高い。