第23回 AMD Award '17
江並直美賞
- 瀬尾 拡史
株式会社サイアメント 代表取締役社長
東京大学 学術支援専門職員
京都造形芸術大学 客員教授
授賞理由
瀬尾拡史氏は、医師兼サイエンスCGクリエイターという珍しい肩書を持つ。
日本では「医学」と「CG」とを結びつけることができる、唯一の医療CGプロデューサーである。
例えば、シミュレーションされた数値データを、正確性はもちろんのこと、卓越したCG技術により美しく楽しく分かりやすく、見る人に伝える映像へと変化させることができる。
これにより、医療従事者はトレーニングや研究説明などに活用することで、治療や手術を効率化できる。患者にとっても手術や検査の事前シミュレーションにCGを活用することにより、不安や負担を軽減が可能となる。
瀬尾氏のCG技術は医療現場の未来をこれから大きく変えていくだろうと確信している。
受賞コメント
突然の受賞のお知らせに大変驚きました。3DCGの活用は、視覚的のみならず本質的にも、サイエンスを、特に医学・医療を劇的に発展させると信じ、日本ではあまり馴染みのない医療CGに10年近く取り組んできました。この度、このように評価して頂き、とても光栄に感じております。
受賞者プロフィール
1985年生まれ。筑波大学附属駒場高等学校卒業。2011年東京大学医学部医学科卒業。医師。東京大学医学部附属病院にて初期臨床研修修了。株式会社サイアメント代表取締役社長。医療CGプロデューサー。京都造形芸術大学客員教授。東京大学大学院情報理工学系研究科学術支援専門職員。裁判員裁判用3DCGの制作により2010年東京大学総長賞・総長大賞受賞。「サイエンスを、正しく、楽しく。」を合言葉に、1億原子系シミュレーション結果の可視化映像制作などの他、リアルタイム3DCGの医療への活用を目指し、ノートPCで動かせる気管支鏡シミュレータや、iPad用の3DCG臓器ビューアーなども開発。2016年には大隅良典先生のノーベル賞授賞式用に、オートファジーメカニズムの3DCG映像制作を担当。
作品紹介
2007 – 2009 | 裁判員制度での3DCGの活用の提案及び、裁判員裁判第1号事件での3DCG画像の制作
東京大学総長賞・総長大賞 京都大学学術映像コンペティション 学術映像奨励賞 |
2011 | 医師国家試験合格 |
2013 | MBSドラマ「彼岸島」オープニング映像 体内CG監督
VFX−JAPANアワード 2014 優秀賞 |
2014 | 「マルチスケール・マルチフィジックス心臓シミュレータUT-Heart」可視化映像制作
BEST VISUALIZATION OR SIMULATION, SIGGRAPH 2015 総務省「異能vation」事業本採択第1期 |
2015 | 京都大学iPS細胞研究所 iPS細胞論文追体験学習アプリ「iPSマスター」制作 |
2016 | 木村カエラ「BOX」ミュージックビデオ 医療CG監修 総務省「異能vation」事業本採択第1期 大隅良典先生 ノーベル賞授賞式 オートファジー解説映像制作 総務省「異能vation」事業本採択第1期 WIRED Audi INNOVATION AWARD 2016 |
2017 | GPGPU Marching Cubes法によるリアルタイム臓器3DCGデータ生成 総務省「異能vation」事業本採択第1期 NVIDIA Edge Program Winner, November 2017 |