第26回 AMD Award '20
優秀賞
- 小惑星探査機「はやぶさ2」
[受賞者]
国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)
授賞理由
「はやぶさ2」は、世界で初めて小惑星の物質を持ち帰ることに成功した小惑星探査機「はやぶさ」の後継機で、有機物や水の存在が期待される小惑星を探査して生命誕生の謎を解明するという科学的成果を上げるために開発された。そんな「はやぶさ2」は2014年12月にH-IIAロケットで打上げられた後、まずは2019年2月と7月に小惑星リュウグウのサンプル採集に成功。さらに、2020年12月には採集容器を収めたカプセルの回収に成功し、そのドラマチックな成功劇は多くの国民に感動を与えた。人工クレーターの作成、地球圏外の天体の地下物質へのアクセス、さらには着陸精度60センチの実現など9つの「世界新」を達成するなど、その素晴らしい技術力とチーム力を称える。
受賞コメント
小惑星探査機「はやぶさ2」は、2014年12月に種子島宇宙センターより打上げられ、2018年6月に小惑星リュウグウに到着、小惑星での人工クレーター作成、2地点への着陸など、着々と成功を重ね、2020年12月、約6年にわたる惑星間往復航行の末、リュウグウのサンプルが入ったカプセルを地球へ届けることに成功しました。現在も宇宙空間を飛行中で、人類未踏の小惑星へ向かっておよそ10年の旅を続ける予定です。サンプルは、カタログ作成作業中で、カタログ完成後、国内外の研究者へ引き継がれ、さらに詳しく分析されます。太陽系の起源や進化を解明することが目的ですが、特に地球の水や生命の起源を知るための手掛かりを見つけることが期待されています。
受賞者プロフィール
「はやぶさ2」プロジェクトは、小惑星からその表面物質を持ち帰ることを目的としたサンプルリターンミッションを行う、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)のプロジェクトです。2006年からの準備期間を経て、2011年5月にプロジェクトとして発足しました。探査機の設計・製作・運用そして科学研究など様々な分野の専門家がJAXAを中心として多くの企業・大学・機関から参加しています。